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アイマイモコ。

広く浅く、ぼんやりと。

これぞ本物のスーパースター。矢沢永吉「成りあがり」がヤバ過ぎる。

人生 生き方 読書 ビジネス 音楽

先週末から、大阪から東京へ遠征してきた。行く前に、道中での読む本を選別していた。大阪から横浜へ向かう自分のテンションを上げてくれるような一冊は何が良いかなと思いチョイスしたのがこの一冊。

成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)

成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)

 

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 日本を代表するロックスター、矢沢永吉のベストセラー「成りあがり」。矢沢永吉のインタビューをコピーライターの糸井重里が書き起こした作品。今の自分と丁度同じ、矢沢永吉が28歳の時に出版された。

 

大学時代にも1回読んだことがあり、改めて読んでみようと思った1冊。自分の中でそういう本はあまり無い。少しでも興味がある人はただ読んでみて欲しい。「矢沢永吉って何がすごいんだろう?」と疑問を感じている自分を含めた若者は一回読むべきだと思う。

 

第二次世界大戦後の一番貧乏な時代に被爆地、広島で生まれた矢沢永吉。母親が矢沢永吉が3歳の時に家出をし、父親が被爆の影響で8歳の時に亡くなるという家庭で育った。貧乏で親戚にたらい回しにされるという悲惨な育ち方をした矢沢が、「ビッグになる」という野望を胸に上京してからの物語が「矢沢口調」で描かれている。

 

色んなコンプレックスを抱きながらも、ビートルズに憧れただビッグになって世間を見返したいというストレートな欲望剥き出しで音楽の世界に飛びこんだ矢沢の「ギラギラ感」が文章からもヒシヒシと伝わってくる。

 

アルバイトをしながらの、バンドのメンバー探し、曲作り、会場探し。その上、誰も知り合いがいない横浜という地に降り立ち、待ち受ける様々な困難に立ち向かっていくその姿は、戦争に向かってる自衛隊の隊員のようだ。

 

「キャロル」というバンドが出来るまでの道のり、バンドが脚光を浴びてスターダムにのし上がる栄光への道、メンバーとの軋轢が生まれ解散し、ソロとして新たな世界に挑戦していくというそのストーリーは一見華やかに見えるけれど、決してそんなことはなくて、「スーパースター」を背負った矢沢永吉と周辺の人物との現実感あふれたドロドロとした世界観は鬼気迫るものがある。

 

物語を読んで行く中で感じるのが矢沢永吉の「自己プロデュース力」の高さと「プロ意識」の高さ、自分にも周りにも妥協を一切許さない「プライド」の高さだ。新聞を隅から隅まで読んだり、デール・カーネギーの名著「人を動かす」をバイブルにしていたり、「ミュージシャン」としてだけでなく自分を売り出す「ビジネスマン」としても高い能力を持っているのがこの本を読めば分かってくる。

人を動かす 新装版

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その強烈なプライドの高さ故、敵もたくさん作ってきた。実際キャロルを組んでいた他の3人のメンバーには最終的に裏切られるという屈辱も味わっている。けれどその裏切られた貶されたりした事実も受けいれ自分の次のステップへ向かうための糧にして、進み続けるそのブレない姿勢はただカッコ良い。

オレっていうのはね、。メチャクチャ安心してないと気がすまない男なんだよ。でも、やっていることは常に不安だらけ。どういうことかって言えば、安心したいがために、行動する。だから、行動が早い。*1

 周りには自信満々の姿を見せながらも、心のなかでは常に不安と戦っていて次の策を考えている。その人間くさい感じを惜しげもなく出せる一面も矢沢永吉という人間が多くの熱狂的なファンから愛される所以なのかなと感じる。

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「ビッグになる」という自分の欲望を満たすために多くのものを犠牲にし日本、世界の音楽シーンの第一線で走り続けてきた。「スーパースター」という星になるために生まれる人間がもしこの世に存在するとしたら、矢沢永吉はそういう人間なのだろう。

 

しかし、その裏側には誰でも抱えている、コンプレックスだったり人間としての弱さであったり卑しさであったりも共存している。この本が愛されるのも世の中に溢れている「小綺麗な成功書」にとどまらず、強さも弱さもさらけ出す「人間・矢沢永吉」を存分に味あわせてくれるからなのだろう。

 

 

 

成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)

成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)

 

 

 

 

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*1:p227より引用